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仏教用語

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概要

江戸時代の民にとっての神仏は特別なものであった。浄瑠璃の詞章にも専門的な用語が数多くみられる。

用語解説



閼伽(あか)
仏に手向ける水。閼伽水(あかみず)。閼伽の水。仏前に供える水を入れる器。

尼(あま)
尼僧(にそう)とも。20歳以上の未婚、もしくは結婚経験があっても沙弥尼(しゃみに)の期間を経て出家した女性のこと。比丘尼(びくに)とも呼ばれる。

一切皆苦(いっさいかいく)
圧迫して(○○に)悩まされる、という意。

因果(いんが)
原因と結果。仏教用語で「前に行った善悪の行為がそれに応じた結果となる」という考え。特に「前世あるいは過去の悪業(あくごう)の報いとして現在の不幸がある」とする考え。

因縁(いんねん)
関係、ゆかりの事。

憂世(うきよ)
仏教的厭世観から「厭(いと)うべき現世」。つらいことの多い世の中。無常のこの世。浮き世とも。

回向(えこう)
自分の修めた善行の結果が他に向って回(めぐ)らされて所期の期待を満足することをいう。自分自身の積み重ねた善根功徳を相手にふりむけて与えること。

縁起(えんぎ)
一般には良いこと悪いことの起こる兆し・前兆の意味で用いられるが、神社仏閣の沿革(由緒)やそこに現れる功徳利益などの伝説を指す。寺社縁起。

往生(おうじょう)
仏になり悟りを開くために仏の国に往き生まれる事。ただ極楽浄土に往く事にあるのでなく仏になる事。様々な浄土への往生があるが、一般的には阿弥陀仏の浄土とされている極楽への往生を言う。

和尚(おしょう)
出家して受戒した僧が日常親しく教えを受ける教師を指す。宗派によって書き方・読み方が異なる。

加持(かじ)
なんらかの願望がかなえられるよう神仏に対して行う一種の呪術作法。

呵責(かしゃく)
仏教における地獄で獄卒が罪人を責める鞭。

我執(がしゅう)
意識ある生きものを有情(うじょう)といい衆生(しゅじょう)というが、その主体として恒常・不変の自我(人我)が実在すると考えて執着することを言う。

火宅(かたく)
煩悩(ぼんのう)や苦しみに満ちたこの世を、火炎に包まれた家にたとえた語。法華経の譬喩品(ひゆぼん)に説く。現世。娑婆(しゃば)。

帰依(きえ)
拠り所にするという意味。「三宝」に「帰依」、つまり仏教徒になるという意味で最も多く使われる。

久遠(くおん)
永遠・永久などの意。

口伝鈔(くでんしょう)
覚如が親鸞の孫にあたる如信より口授された教義を記したことからこの名が付けられた。上中下の三巻からなる。

功徳(くどく)
仏教の言葉。ためになること。法力によって恩恵を与えること。自らを益するのを功徳、他を益するのを利益という。

九品浄土(くほんじょうど)
極楽浄土。往生する者に9種の差異があり浄土にも9種の差異を立てていう。西方浄土。九品安養界。九品の浄刹。九品の浄土。くほん。

供養(くよう)
仏、菩薩、諸天などに香・華・燈明・飲食などの供物を真心から捧げること。

功力(くりき)
修行によって得た不思議な力。功徳の力。

解脱(げだつ)
煩悩による繋縛から解き放たれて全ての執着を離れること。迷いの苦悩の世界から悟りの涅槃の世界へと脱出することを指す。

業因(ごういん)
仏語。未来に苦楽の果報を招く原因となる善悪の行為。

五塵(ごじん)
煩悩を起こさせて人の心をちりのように汚すもの。色(しき)・声(しょう)・香(こう)・味・触(そく)の五境のこと。

三界(さんがい)
欲界・色界・無色界の三つの総称。凡夫が生死を繰り返しながら輪廻する世界を3つに分けたもの。仏陀はこの三界での輪廻から解脱している。

懺悔(ざんげ)
自分の過去の罪悪を仏、菩薩、師の御前にて告白し悔い改めること。

三十二相(さんじゅうにそう)
仏のみが備えている32のすぐれた身体的特徴。

三身(さんじん)
大乗仏教における仏の3種類の身のあり方(法身・報身・応身)で仏身観の一種である。

三途川(さんずのかわ)
此岸(現世)と彼岸(あの世)を分ける境目にあるとされる川。一般的に仏教の概念の1つと思われがちだが実際は仏教に民間信仰が多分に混じって生まれた概念。

三千世界(さんぜんせかい)
三千大千世界(さんぜんだいせんせかい)の事。仏教用語で10億個の須弥山世界が集まった空間を表す言葉。

三毒(さんどく)
仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」を指し煩悩を毒に例えたもの。

三宝(さんぽう)
仏教における3つの宝物を指し具体的には仏・法・僧(僧伽)のこと。この三宝に帰依することで仏教徒とされる。キリスト教の三位一体(トリニティ)、つまり「父(言葉を出すもの)」、「子(言葉)」、「精霊(言葉によって伝えられる愛)」と似ている。

三昧(さんまい)
心を一つの対象に集中して動揺しない状態。雑念を去り没入することによって、対象が正しくとらえられるとする。

地獄(じごく)
仏教における世界観の1つで最下層に位置する世界。欲界・冥界・六道、また十界の最下層。一般的に大いなる罪悪を犯した者が死後に生まれる世界とされる。

獅子座(ししざ)
釈迦の座った金剛座(釈迦が悟りを開いたブッダガヤの菩提樹下)。金剛石(ダイアモンド)のように堅固で壊れない座所。

慈悲(じひ)
他の生命に対して自他怨親のない平等な気持ちを持つこと。キリスト教と少し異なり、人々への憐憫の思いではなく、一切の生命は平等であるゆえ怨親なく相手の幸福を願う心こそが人間の目指すべき理想であるという仏教の思想。

娑婆(しゃば)
仏語。釈迦が衆生を救い教化するこの世界。煩悩や苦しみの多いこの世。現世。娑婆世界。

執着(しゅうちゃく)
事物に固執しとらわれること。主に悪い意味で用いられ修行の障害になる心の働きとする。

十万億土(じゅうまんおくど)
仏語。この世から極楽へ行くまでの間にあるという無数の仏土。 参考:十万億土

衆生(しゅじょう)
生命あるものすべて。

衆生済度(しゅじょうさいど)
迷いの苦しみから衆生を救って悟りの世界に渡し導くこと。

修羅(しゅら)
六道の一つ。阿修羅の住む争いや怒りの絶えない世界。そういう生存のあり方。阿修羅道。修羅道。

須弥山(しゅみせん)
仏教の世界観では須弥山をとりまいて七つの金の山と鉄囲山(てっちさん)があり、その間に八つの海(九山八海)がある。「須弥」とは漢字による音訳で意訳は「妙高」という。

須弥壇(しゅみだん)
須弥山に由来し仏教寺院において本尊を安置する場所であり仏像等を安置するために一段高く設けられた場所のこと。

荘厳(しょうごん)
仏語で仏像や仏堂を美しくおごそかに飾ること。そうごんとも発音される。

成就(じょうじゅ)
物事が成功・達成し願い事が叶うことをいう。古くは「じょうじゅう」とも発音された。大願成就、満願成就、悲願成就のような使い方をされる。

常住(じょうじゅう)
仏教用語で「普段」。

称念(しょうねん)
南無阿弥陀仏と唱え心に仏を念ずること。

声明(しょうみょう)
仏教の経文を朗唱する声楽の総称。インドに起こり中国を経て日本に伝来した。宗派によってその歌唱法が相違するが天台声明と真言声明とがその母体となる。声明の曲節は平曲・謡曲・浄瑠璃・浪花節・民謡などに大きな影響を与えた。梵唄(ぼんばい)とも。

諸行無常(しょぎょうむじょう)
この世の現実存在はすべて姿も本質も常に流動変化するものであり一瞬といえども存在は同一性を保持することができないことをいう。

瞋恚(しんい)
仏語。三毒・十悪の一。怒ること。いきどおること自分の心に逆らうものを怒り恨むこと。

真如(しんにょ)
あるがままであること。真理のことを指す。

厨子(ずし)
仏像・仏舎利・教典・位牌などを中に安置する仏具の一種。広義では仏壇も厨子に含まれる。

禅定(ぜんじょう)
思いを静め心を明らかにして真正の理を悟るための修行法。精神を集中し三昧(さんまい)に入り、寂静の心境に達すること。六波羅密の一。

僧伽(そうぎゃ)
仏教で出家修行者(比丘・比丘尼)によって構成される僧団のこと。「衆」(しゅ)、「和合衆」(わごうしゅ)とも漢訳される。

化身(けしん)
大乗仏教における仏の三身の一つ。仏が衆生を済度するために様々な形態で出現する際の姿。派生し本来の意味に加えて、神や精霊、人外の空想上または神格化された生物が人の形を取ったもの。また神や精霊、悪魔が動植物の形で人前に現れる時にも使われる。化身の元の姿を正体という。

業(ごう)
本来は行為の意味。因果思想と結合し業はその善悪に応じて果報を与え死によっても失われず、代々伝えられると考えられる。カルマ。

業通(ごうつう)
魔性の力。

極楽(ごくらく)
相対の立場では四苦や八苦のような現実苦と相対する身心共に楽な世界ということ。阿弥陀仏の浄土であり「幸福のあるところ」「幸福にみちみちてあるところ」の意味。須呵摩提(しゅかまだい)、蘇珂嚩帝(そかばってい)、須摩提(しゅまだい)、須摩題などと音表され、安楽、極楽、妙楽などと訳出された。

娑婆(しゃば)
釈迦が衆生を救い教化するこの世界。煩悩や苦しみの多いこの世。現世。娑婆世界。

智慧(ちえ)
知識としての知恵とは異なり、仏教における様々な修行の結果として得られた「悟り」の事。

畜生道(ちくしょうどう)
六道・三悪道・十界の一。畜生の世界。悪行の結果,死後生まれ変わる畜生の世界。畜生趣。

通力(つうりき)
禅定などによって得られる、何事も自由自在にできる超人的な能力。神通(じんずう)。神通力。

鉄杖(てつじょう)
地獄の獄卒が持つ鬼の杖。

内証(ないしょう)
自己の心の内で真理を悟ること。内面的な悟り。
遊女屋の、主人のいる所。また、主人。
他人の妻を敬っていう語。内室。
内輪の者。みうち。親族。

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ・なんまいだ)
南無=「わたくしは帰依します」を意味し、阿弥陀仏は自らの名号を称える者を浄土に往生せしめると本願に誓い、衆生の積むべき往生行の功徳のすべてを代って完成し、これを名号(南無阿弥陀仏)に収めて衆生に回向している。

涅槃(ねはん)
「さとり」〔証、悟、覚〕と同じ意味。ニルヴァーナの字義では「吹き消すこと」「吹き消した状態」であり煩悩の火を吹き消した状態を指すのが本義である。滅とか寂滅とか寂静と訳された。
また、涅槃は如来の死そのものを指す。涅槃仏などはまさに死を描写したものである。「人間の本能から起こる精神の迷いがなくなった状態」という意味で涅槃寂静といわれる。

念珠(ねんじゅ)
珠(たま)を一つ繰るごとに念仏を唱えるところから、数珠(じゅず)。ねんず。

念仏(ねんぶつ)
浄土教系の仏教教団において合掌礼拝時に「南無阿弥陀仏」と称えることをいう。

比丘尼(びくに)
婆羅門以外の出家者・遊行者のことを一般に「沙門」と呼ぶが、その中でもこの仏教の「僧伽」の正式な構成員は男性であれば「比丘」(乞食の意)、女性であれば「比丘尼」(びくに)と呼び表される。

補陀落(ふだらく)
観音菩薩の住処、あるいは降り立つとされる山。補陀落山とも称す。

菩提(ぼだい)
迷いを断ち切って得られた悟りの智慧。また,涅槃(ねはん)のこと。俗には冥福と同義に使う場合もある。

法性(ほっしょう)
仏教で法たること、すなわち改変することのない法の法たる本体をいう。諸法の実相・真如・法界・真理などの異名としても用いる。三論宗では真空を法相宗では円成実性をさす。

法心(ほっしん)
心法(しんぽう)。一切のものを心(しん)と色(しき)とに分けたときの心。心の働きの総称。心を修練する法。精神の修養法。

煩悩 (ぼんのう)
身心を悩まし苦しめ、煩わせ、けがす精神作用。貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)は根元的な煩悩として三毒という。

無明(むみょう)
迷いのこと。真理に暗いこと。智慧の光に照らされていない状態をいう。法性(ほっしょう)に対する言葉。

妄執(もうしゅう)
迷いによる執着。成仏を妨げる虚妄の執念。

文殊(もんじゅ)
大乗仏教の崇拝の対象である菩薩の一尊。一般に智慧を司る仏とされる。

輪廻(りんね)
生ある者が迷妄に満ちた生死を絶え間なく繰り返すこと。三界・六道に生まれ変わり死に変わりすること。

六道(ろくどう・りくどう)
迷いあるものが輪廻するという、6種類の迷いある世界(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道。

輪袈裟(わげさ)
僧侶が首に掛ける袈裟の一種。

和讃(わさん)
仏・菩薩、祖師・先人の徳、経典・教義などに対して和語を用いてほめたたえる讃歌。声明の曲種の一。