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用語 読み 説明 参考 文献





合方 あいかた 浄瑠璃が入らない三味線だけの部分。

相三味線 あいじゃみせん 太夫にとっての三味線弾き(相三味線)。

合の手 あいのて 間奏のこと。比較的長いもの。台詞を語る時のBGM。

合弾き あいびき 間奏のこと。比較的短いもの。

あいびき
三味線を弾く時に腰掛ける専用の座椅子。舞台では用いない。

アシライ
三味線の手が入らない能ガカリの時などに、浄瑠璃が出やすいように出す音。リン。

アタリ
平曲由来の旋律。特定の三味線の手に浄瑠璃をあてるように語る

アテル
舞踊の振り、もしくは三味線の手に浄瑠璃をぶつけるように語る。

雨三重 あめさんじゅう 雨が降っているような情景で用いられる前弾き。 お染
荒事 あらごと 歌舞伎で、武士や鬼神などの荒々しさを演じる事、それを得意とする役者。創始者である團十郎家のお家芸。

アユム
ゆくさきは 八段目 都の錦・老の虚言
イキゴミ
抜き放したる 宗清 都の錦・老の虚言
イケコロシ
心理・情景に合わせた強弱・抑揚をつけて三味線を弾くこと。浄瑠璃にも用いる。

一中
かぞえ唄。一中節より。 子宝 都の錦・老の虚言
いと 三味線には三本の黄色い絹糸を用いる。太いものから順に一の糸、二の糸、三の糸。

糸筋 いとすじ 三味線の糸を抑えると爪にできる筋。故意につける場合もある。

糸巻き いとまき 三味線のペグにあたり、先端に糸通しの穴がある。常磐津では必ず黒を用いる。

イナセ
いたずらな 双面 都の錦・老の虚言
イロキメ
やさすがた 双面 都の錦・老の虚言
イロクライ
佳肴ありといへども 大序 都の錦・老の虚言
ウキギン
花見月 双面 都の錦・老の虚言
ウキドメ
傘にしのいて 将門 都の錦・老の虚言
ウキナヤシ
春雨を 将門 都の錦・老の虚言
ウラハジキ
薬指、中指、人差し指の順で素早く三の糸を爪で弾くこと。

うら 裏声。

裏間 うらま 常間に対しての裏のリズム。

上調子 うわぢょうし 脇三味線の次位。1オクターブ上で調弦し曲の旋律を彩る。
都の錦・老の虚言
エグル
浄瑠璃を底から表面にえぐるように語ること。

江戸節 えどぶし ふわっと着せたる 関扉 都の錦・老の虚言
江戸言葉 えどことば 江戸浄瑠璃の常磐津では必ず標準語を用い、台詞は作品にもよるが江戸言葉が用いられる場合が多い。

老いの虚言 おいのざれごと 常磐津三味線の花伝書。指南書。

大薩摩 おおざつま 大薩摩節からとった派手な合の手、もしくは前弾き。基本的には「夫(それ)」で始まる詞章。

置き おき 作品の冒頭部分。情景を説明する詞章で終わると役者の出。置浄瑠璃とも。

オクリ三重 おくりさんじゅう 道行ものに多い前奏。一つの長い作品の途中から演奏する場合にも用いる。

落とし おとし 常磐津特有の旋律。七五調の五につけられる小段落。舞踊が決まる部分。

おもて 実声。地声。裏声でない通常の声。

替え糸 かえいと 三の糸は切れやすいため、舞台時に三味線の胴の部分に予備として挟んでおく糸。

カカリ
いざさせ給へと押しやられ 関扉 都の錦・老の虚言
ガカリ
演奏が始まる時間

掛け合い かけあい 長唄と常磐津、竹本と常磐津といった異なる流派の三味線音楽で共同演奏される演出形式。

かけ声 かけごえ 三味線弾きが浄瑠璃が出やすくするためかける声。ヨッ、ハッ、オイ、など。

肩衣 かたぎぬ 袴部分が前掛けになっている裃。常磐津は柿色で歌舞伎の出語りにあ必ず着用する。

語る かたる 浄瑠璃は歌う、唄う、謡うとは言わず、必ず「語る」という。長唄は唄う。謡曲は謡う。

上手 かみて 客席から見て右側の舞台。

花柳界 かりゅうかい 芸者・芸妓の世界。歌舞伎・三味線音楽などとは非常に親密な間柄で、各界の師匠を呼んで習い事として日本舞踊、長唄、お囃子、そして常磐津などを習う。文字太夫家は代々、日本橋や芳町の花柳界に教授していたが、現在は神楽坂のみ。

かん 高い旋律。主に3枚目・4枚目が請け負う。

甲太夫 かんたゆう カンの技能に長けた者。

灌頂之巻 かんじょうのまき 浄瑠璃の母体となった語り物「平曲」では灌頂之巻として特定の者にのみにしか語る事を許さず古格を守り抜いた。常磐津では特定の者にしか語る事を許さない制度はないが、唯一伝わる豊後節「伝授の雲竜」、最古の曲「老松」が、特別な曲といった意味合いでこれにあたる。

カン流し
うきわかれ 関扉 都の錦・老の虚言
ギゴバ
りうていこがれ 関扉 都の錦・老の虚言
岸澤家
常磐津の由緒ある三味線方の名家。代々、家元は式佐を襲名する。

岸澤古式部
岸澤家元の留め名。

岸澤式佐
岸澤家の家元名。

起承転結 きしょうてんけつ 作品の作りの基本。

キッカケ
踊り手の支度を待つ間に繰り返し合の手を弾くが、その支度が出来た時の合図。

キヲイ
その勢いぞ 景清 都の錦・老の虚言
キザミ
人となり 関扉 都の錦・老の虚言
キメナガシ
ひる見えず 大序 都の錦・老の虚言
狂乱 きょうらん 狂乱物とも。何らかの理由で気がふれた人物の心情、もしくは物語を題材としたもの。お夏狂乱、与五郎狂乱などがある。

虚実皮膜 きょじつひまく 虚構と現実との微妙な狭間に芸の真実があるという近松門左衛門の芸術論。

吟位 ぎんくらい ふじのかね 子宝 都の錦・老の虚言
吟張る ぎんばる 三味線の名音は金属的なもので冴えた音であると言われている。声も冴えて、力強く、拡張高い物が良しとされる。

口三味線 くちじゃみせん 三味線の手を口で表現すること。いわゆるチン・トン・シャン。開放弦は一の糸からドン・トン・テン。押える時ヅン・ツン・チン。一二の糸を両方弾く時はヂャン、二三はシャン、もしくはチャン。ハジキはリン、スクイはルンなどの決まりがあり、適当には言わない。

口説き くどき 曲を構成する要素の一つ。女性の恋話や恋心を募る場面など。平曲由来の言葉。

位取り くらいどり 曲や登場人物の品格や品位を定める事。

廓言葉 くるわことば 主に吉原で遊女がしゃべっていた専用の言葉。ありんす等。

黒紋付 くろもんつき 舞台で着る黒い着物。師匠筋の家紋を入れる。床着とも。

下座 げざ 黒御簾の中で演奏される三味線音楽でBGM。常磐津を素浄瑠璃の演奏会で語る場合、本来歌舞伎役者が言うセリフも語るが、その時に弾かれる合の手は下座音楽からとったものが多い。

見台 けんだい 床本と扇子を置く黒の書見台。蛸足も広義では見台だが区別するために黒見台のみを「見台」と呼んでいる。

ご祝儀物 ごしゅうぎもの 「子宝」「松の名所」「式三番叟」など御目出度い内容の曲

コダマ
「山中」の場面などで木霊が棲むうっそうとした情景を表現するための合の手。 山姥
小文字太夫 こもじだゆう 常磐津宗家家元文字太夫の前名。歴代には小文字太夫で家元になっている場合もある。

コワリ
星の影 関扉 都の錦・老の虚言
歳旦物 さいたんもの 家元が正月に門弟を家に招き毎年作っていたご祝儀物の曲。

さお 三味線の長い棒状の部分。太棹・中棹・細棹があり、常磐津では紅木製の中棹を用いる。

サビ地 さびじ 守れば 宗清 都の錦・老の虚言
サビユリ
拍子よく 子宝 都の錦・老の虚言
サワリ
東ザワリとも。三味線の音をビィィィンと響かせるように発案された使用。

三弦 さんげん 立三味線の中でも優れた人物を連名に記載する場合に、通常の三味線よりも高位のものと表現するときに使用される。

三下がり さんさがり 三味線の調弦の一つ。しっとりとした場面で用いる。

三重 さんじゅう 平曲由来。三味線の前弾き。

三段決め さんだんぎめ 刃にかかりし 双面 都の錦・老の虚言
詞章 ししょう 歌詞のこと。浄瑠璃や能楽では詞章という。

師匠筋 ししょうすじ それぞれ芸風の異なる家々。家元文字太夫家、岸澤式佐家、菊筋、文字兵衛家など。

時節感当 じせつかんどう 幕が上がり、役者が登場し観客が役者の声を待ち受けている、その刹那の心の高まりをうまく見計らって、絶妙のタイミングで声を出すこと
花伝書
次第 しだい 老松のはじめ 老松 都の錦・老の虚言
ジタイ
色くらべ 双面 都の錦・老の虚言
時代 じだい 板びさし 宗清 都の錦・老の虚言
時代物 じだいもの 史実を下敷きにした作品。重厚な作品が多い。

シヌキ
富士の白雪 乗合船 都の錦・老の虚言
シメル
リズムを途中から緩やかにすること。

下手 しもて 客席から見て左側の舞台。常磐津は通常下手の場合が多い。後ろには黒御簾。

三味線 しゃみせん 常磐津では中棹に、黒の糸巻き、舞台では象牙の撥を用いるのが特徴。

しゅ 床本に節付けを朱色の墨汁で記入する事。朱を入れる。

守破離 しゅはり 日本の茶道、武道、芸術における師弟関係のあり方の一つ。師匠に言われた型を「守り」、研究し自分に適したも肩をつくって既存の型を「破り」、最終的に師匠の型から「離れて」自在になる事が出来る。

巡業 じゅんぎょう 江戸三座以外の地方の芝居小屋に演奏していたことから、現在でも歌舞伎座・演舞場・国立劇場以外の地方の劇場を巡ることを呼称する。

掾号 じょうごう 朝廷から付与される名人、興行権の証明、名称。古浄瑠璃時代に多く、常磐津では初世家元伊藤出羽掾、五世家元宮古路豊後掾、九世家元初世常磐津豊後大掾、十四世家元二世常磐津豊後大掾、義太夫節では豊竹山城少掾、富本では富本豊前掾(初世常磐津小文字太夫)などがいる。

常間 じょうま 通常のリズム。裏のリズムを裏間という。

浄瑠璃 じょうるり 語り物の一種。○○節といい、語る者を太夫という。

初心 しょしん 試練を乗り越えていく時の対処方法。初心忘るべからず。三種類の初心がある。
花鏡
序破急 じょはきゅう 能の花伝書にある言葉。浄瑠璃においても大事とされる。
花伝書
身心脱落 しんじんだつらく 身体と心の束縛から自由となり、真に無我となりきった悟りの状態。

スガガキ
廓(遊郭)や遊女を表現するときの合の手。
禅語
スクウ
三味線は通常、撥を振り下ろして弦を弾くが、逆にすくい上げて出す音。

素浄瑠璃 すじょうるり 歌舞伎や舞踊なしで、浄瑠璃と三味線のみで演奏するスタイル。

セリフ
歌舞伎では役者がいうセリフは、素浄瑠璃の時は太夫が語る。

世話物 せわもの 江戸時代の町人文化が設定の作品。

世話ノリ せわのり さても相馬の将門は 将門 都の錦・老の虚言
蛸足 たこあし 常磐津独自の見台。朱色で三本の足はタコの触手の形状をしている。

たて 立語り、もしくは立三味線。床をリードする。

太夫 たゆう 浄瑠璃語り。古来、猿楽などの芸能に於いて技術が優れたものや家々の長を太夫と言ったことから用いられる呼称。その後吉原などの最高位の遊女にも用いられるようになった。

大夫 たゆう 江戸時代に文楽の太夫から歌舞伎に移行した人達がいて(竹本連中)、文楽側と区別するために文楽の太夫はそれ以降「太」ではなく、大の字を用いるようになった。

段切れ だんぎれ 曲の最後。

もしくは浄瑠璃作品において台詞以外の箇所。主に基本の大部分。

地方 ぢかた 歌舞伎の演奏方。

チキオトシ
しばし涙に暮れいたる 関扉 都の錦・老の虚言
調子台 ちょうしだい 太夫が舞台で腰掛ける桐でできた専用の座椅子。浄瑠璃では腹に入れて声を出すために座高を高くする。

チラシ
いとま申して 山姥 都の錦・老の虚言
ツキユリ
ふり給う 老松 都の錦・老の虚言
つづみ唄 つづみうた なう さりし恨みのあればこそ 関扉 都の錦・老の虚言
ツレ
立、脇、三枚目、四枚目の太夫が揃えて語ること。ツレルという。

三味線の旋律の型

定本 ていほん 正式名称定本常磐津全集。基本の詞章集。七世文字太夫によって編纂され、現在、九大目文字太夫が復刊中。

出語り でがたり 常磐津が歌舞伎に出演すること。

天神 てんじん 三味線のヘッド部分。

道具屋節 どうぐやぶし 一杯機嫌で関守は 関扉 都の錦・老の虚言
当道座 とうどうざ 官位を与えられた盲目の機関。試験を伴う階級制で源氏や室町幕府から庇護、管理されていた。江戸時代には、平曲(平家琵琶)、三曲(箏、地歌三味線、胡弓)といった音曲のほか、、鍼灸、按摩、金銭貸といった職種を独占していた。検校>別当>勾当>座頭があり、最高位の長である惣検校となると大名と同様の権威と格式を持っていた。

常磐種 ときわぐさ 四世文字太夫が編纂した初世文字太夫から三世文字太夫の上演記録。六世文字太夫が東京芸術大学に寄贈。

トマル
来たりける、入りにけるなど

トメ
通常、立、脇、三枚目、四枚目の順に座るが立格の太夫が四枚目に座る場合があり、立と同格とされる。

ナガシ
着きにけり、入りにけり

長地 ながじ にぎはう春の 子宝 都の錦・老の虚言
中地 なかじ 早朝白々と 子宝 都の錦・老の虚言
ナク
セリフではなく地の部分で挿入される泣き声。クゥゥなど。

ナゲル
反動をつけて節を遠いところに投げるように語る事。

投げ節 なげぶし 往くもかえるも 関扉 都の錦・老の虚言
二上がり にあがり 三味線の調弦の一つ。華やかな場面で用いる。

錦絵 にしきえ 浮世絵の中でも歌舞伎芝居用に擦られたポスターの事。錦(様々な色とりどりの色)を使った絵の意味。

抜き差し ぬきさし 作品の進行を崩すことなく、抜いたり挿したりして短く作品をまとめる事。

音緒 ねお 三味線の糸をくくりつける胴にかけるもの。

ネリバチ
通常、三味線は叩くように弾いて音を出すが、撥をねじって弦に当てて音を出す技法。

能ガカリ のうがかり 謡曲のように語ること。

能取物 のうとりもの 能に取材したもの。

ノル
リズムを途中から早めること。

白扇 はくせん 太夫が舞台で語る時に用いる柄なしの純白の扇子。

ハジク
人差し指で糸を抑えながら薬指で糸を弾いて音を出すこと。開放弦から弾く場合もある。

ばち 先端が平たく尖った糸に当てて音を出す道具。舞台では象牙製、普段使いや稽古では木撥を用いる。

はな 技芸・気品・色気

ハヤカシ
娘小浪は 八段目 都の錦・老の虚言
ハルユリ
隅田川 双面 都の錦・老の虚言
ヒカル
派手に大きく発生する箇所。主に重厚な作品に多く使用される。

引取り ひきとり ほたけ祭り 子宝 都の錦・老の虚言
ヒロウ
浄瑠璃の特定の声(生み字部分)に合わせて(音を拾って)、三味線を弾く技法。

豊後節 ぶんごぶし 宮古路豊後掾により創設された流派。門弟には文字太夫(常磐津節始祖)、加賀太夫(新内節遠祖)、園八(宮園節遠祖)、繁太夫(繁太夫節始祖)など多数の名人上手を輩出し、さらに文字太夫の弟弟子小文字太夫(初世)は、のちに富本節始祖の富本豊前となり、そこから清元節始祖の清元延寿太夫が排出され、更に四世延寿太夫の妻である清元お葉が小唄を創始したことから、日本音楽史上最重要なものである。現在では豊後節は流派として現存していないが、創始者宮古路豊後掾の作である「伝授の雲竜」をはじめ養子となり家督を相続した初世常磐津文字太夫が、相当である事から常磐津節が豊後節諸流の大頭取と称されている。

豊後三流 ぶんごさんりゅう 様々な諸派の芸能を輩出した豊後節の中でも、歴史上最重要である「常磐津・富本・清元」が豊後三流と呼ばれ、それに新内節を加えた豊後四流という認識も存在する。

文七ガカリ
さほ姫の 子宝 都の錦・老の虚言
文弥ガカリ
洲崎に通う。泣きの文弥節由来。 おその 都の錦・老の虚言
ふえ 浄瑠璃太夫に於いて喉を楽器に見立てていう言葉。例:良い笛の持ち主

不即不離 ふそくふり 太夫と三味線の深過ぎず、離れすぎないで、ちょうどよい関係の事。

平家 へいけ 霞のどかに。平曲由来。 子宝 都の錦・老の虚言
本行 ほんぎょう 能の事。本歌取りの原型が能から取材したものが多い事から。

本外題 ほんげだい 5文字もしくは7文字の漢字で構成された作品のタイトル。その作品の世界観を表していて、例を出すと「忍夜恋曲者(本外題)」では長いので通常は「将門(通称)」を用いる。

本調子 ほんぢょうし 三味線の基本的な調弦。

西洋風にいう所のリズム。オモテとウラで構成されている。

前掛け まえかけ 肩衣の袴部分にかけるエプロン状のもの。

前弾き まえびき 三味線の前奏。

政太夫 まさたゆう 代々、流派の大番頭格の名跡。

松羽目物 まつばめもの 能取物の中でも更に松羽目を背景に用いたもの。

丸本物 まるほんもの 文楽の義太夫節から取材したもの。

マワシ
浄瑠璃を筆頭に語り物系の音楽の重要な要素。グルリと回すように語る。平曲由来の旋律。

都の錦 みやこのにしき 初世文字太夫によって書かれた常磐津浄瑠璃の花伝書。指南書。

名跡 みょうせき 常磐津では家元名「文字太夫」を筆頭に、家元前名「小文字太夫」、三味線方岸澤家当主「式佐」、三味線方「文字兵衛」、菊菱派「和佐太夫」、大番頭名「政太夫」、名人を多く輩出する「松尾太夫」など歴史上重要な名跡が多い。

毛氈 もうせん 薄い和製カーペット。赤の緋毛氈と、素浄瑠璃の追善会、もしくは題材が悲劇のものに用いられる紺毛氈とがある。歌舞伎舞踊、舞踊会では緋毛氈を山台に用いる。

物語 ものがたり 曲を構成する要素の一つ。武将が武勇の誉れを勇猛に語る時などに用いる。

ミダレ
小舟間近く 双面 都の錦・老の虚言
道行物 みちゆきもの 人が旅をして、ある目的地に着くまでの道程を、次々と地名と特色のある風景を詠み込んで表現した作品。叙景と叙情との混然とした、哀艶(あいえん)切々たる美しい詞章が生みだされ、主に男女の心中が多い。お三輪道行、八段目道行、おその道行などがある。

メリハリ
滅ったり張ったりして発生し、浄瑠璃に変化をつける事。

メリヤス
歌舞伎の台詞のない場面で雰囲気を盛り上げるために演奏されるごく短い曲。可愛男におうさかの 吉田屋
メル
音が下がった状態

文字太夫 もじたゆう 常磐津宗家家元の大名跡。当代で九代目を数える。

餅つき もちつき 餅つきの合の手とも。吉田屋にのみ使われている前奏。下座音楽からとられたもの。 吉田屋
モツレ
緋むくは椿 白むくは 子宝 都の錦・老の虚言
モミダシ
子宝の最初 子宝 都の錦・老の虚言
モリコミ
三味線の合いの手。最後の音と同時に節を盛り込んで語る事。

山台 やまだい 常磐津連中が座る緋毛氈を敷いた大きな台。

ゆか 太夫四名、三味線三名(三挺四枚)で構成される常磐津連中。

床着 ゆかぎ 舞台で着る黒紋付。

床本 ゆかぼん 舞台で太夫が用いる詞章本。長唄など唄い物で唄本と言うが、浄瑠璃では床本と言う。

雪の合の手 ゆきのあいのて 雪がしとしと降る場面などで用いる。 宗清
ユタカ
かかる山路の 関扉 都の錦・老の虚言
湯呑 ゆのみ 太夫が舞台で使う黒漆の湯呑。金泥で側面に流派定紋「角木瓜」、蓋には師匠筋の家紋を入れてある。

指すり ゆびすり 三味線さばきを円滑にするため、左手人差し指と親指にかけるもの。古くは手編みのお手製を使用。

四つ間 よつま 其のさまに 関扉 都の錦・老の虚言
四つより よつより 天津空 将門 都の錦・老の虚言
ライジョ
新たなり 三社祭 都の錦・老の虚言
連中 れんちゅう 歌舞伎の出語りは「常磐津連中」と表記する。舞踊会などでは「常磐津文字太夫社中」といった具合に表記され、連中は常磐津というジャンル、社中は立語りの名前といった具合に意味分けする。

和事 わごと 歌舞伎で、柔弱な雰囲気の恋愛描写を中心とした演技。または得意とする役者(=和事師)。また、その演出様式。元禄頃に発生し主に上方の芸系に伝わった。

ワルミ
なんの事じゃいな 戻駕 都の錦・老の虚言